仕事辞めたい — 辞めるべきかを判断する前に

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元退職代行として10,000人以上の相談を受け、1,000件以上の退職に関わってきたタケシです。

仕事を辞めたい。会社を辞めたい。そう思ってこのページに来たと思います。

このサイトは「辞めろ」とも「辞めるな」とも言いません。

私は退職代行ではなく退職判断屋です。辞めないほうがいい時は、辞めないほうがいいと言います。

結論:3つの問いに、この順番で答えてください

問い1. あなたは今、判断できる状態にありますか。

これを飛ばして「辞めるべきか」を考えても、答えは出ません。

問い2. その問題は、辞めたら解決しますか。

辞めても解決しない問題があります。

問い3. そもそも、悩む必要のあることですか。

悩まなくていいことで悩んでいる人が、本当に多い。

順番が大事です。1を飛ばして2から始めると、間違えます。

問い1:あなたは今、判断できる状態にありますか

これがこのサイトの出発点です。

退職代行をやっていた頃、明らかにブラックな会社なのに「なんで辞めないのかなあ」という人が、いっぱいいました。 傍から見れば答えは出ている。それでも動けない。

軽い洗脳状態にあるのだと思います。

そして、ここからが大事なところです。

合理的に考えれば退職したほうがいいと分かっているのに行動に移せない。それは、そもそも合理的に考えられなくなっている状態なのではないか。

判断力そのものが落ちているときに、人生の大きな判断をしようとしている。これは順番が違います。

判断力が落ちているサイン

  • 睡眠時間が確保できていない
  • 「自分が悪い」という考えが頭から離れない
  • 会社の外の人に相談していない、できていない
  • 明らかにおかしいと言われても「うちの業界では普通」と思う

ひとつでも当てはまるなら、まず判断できる状態を取り戻してください。 辞めるかどうかを決めるのは、そのあとです。

具体的には、社外の第三者に話すこと。 社内の人は同じ環境にいるので、同じように感覚が麻痺しています。

自分の会社がまともかどうかの目安は、こちらにチェックリストがあります。→ 辞めるべき会社のサイン

そして、辞めたいのに動けない理由の多くは、思い込みです。 何があなたを止めているのかは、こちらで詳しく扱っています。→ 退職できない人が陥りがちなバイアス

問い2:その問題は、辞めたら解決しますか

判断できる状態になったら、次はこれです。

自分の都合で退職する理由は、大きく2つに分かれます。他にしたいことがあるから辞めるケースと、現状に不満があるから辞めるケース。

後者の場合、辞める前に抱えている問題が、辞めても転職しても解決しないことがあります。

人間関係(パワハラ)

転職で解決する可能性は高い問題です。ただし、次の職場の人間関係は入ってみないと分かりません。面接の段階で見破るのは非常に困難です。

人間関係が幸福度に及ぼす影響は大きく、離職理由の上位に常に入っています。パワハラの有無も、事前に確認するのが難しいものの一つです。中小企業より大企業のほうがコンプライアンスに厳しい傾向はありますが、誰もが知る大企業でも過去に問題になっています。

長時間労働

これも転職で解決する可能性は高い。 ただし実際に勤務してみないと見えない部分があります。

余談ですが、サービス残業については、賃金請求権の消滅時効は当面3年とされています(労働基準法115条、同法附則143条3項。2020年4月1日以降に支払期日が到来する分)。記録を取り続けて、退職時に請求するという選択肢もあります。→ 元退職代行が伝える残業代まとめ

低賃金

ここは注意が必要です。

賃金はスキルや経験によってだいたい相場が決まっています。特にスキルも経験もない人が、低賃金を理由に転職して月給100万円の仕事に就くことは、コネでもない限り不可能でしょう。

ただし——同じような能力でも、業界によって給料に差が出ます。 落ち目の業界と、右肩上がりの業界があるからです。業界を変えれば上がる可能性はあります。

つまり「低賃金が理由」の場合、転職先を選び間違えると解決しません。

仕事内容が合わない

人によっては最も解決が難しい問題です。

「自分の適性がいまいち分からない」「天職を見つけたい」——なかなか「これだ」と思える仕事に出会えない人は多いと思います。

業務内容の向き不向きは実際にあると思いますが、自分の気持ちの問題である可能性もあります。

「若いうちはいろいろ経験したほうがいい」はあながち間違いではないと思いますが、人生は有限なので取捨選択も大事です。いろいろな職種を体験すること自体は悪くありませんが、専門性を身につける上ではマイナスになる可能性も高い。

キャリア形成に不利になる可能性

「いくつになっても新しいことは始められる」——これは真実だと思います。

しかし、職種によっては習熟に時間がかかるものがあり、早いうちに始めたほうが有利なのも事実です。医師なら研修期間を含めて8年。70歳で医学部に入っても、研修が終わる頃には……という話になります。

また、大きく職種や業界を変えると給料は一時的に下がる可能性が高い。 家庭やローンがあると難しいでしょう。

退職と転職を繰り返すのは、キャリア形成において不利になる可能性が高いです。

この5つをどう使うか

隣の芝生は青く見えます。他の環境が実際より良く見えている可能性がある。

一方で、実際に青い可能性もあります。

人間関係・長時間労働・低賃金は、転職で解決できる可能性が高い。「天職が見つからない問題」だけは、人によって解決が非常に難しい。

自分の不満がどれに当たるのかを、まず分けてみてください。

問い3:そもそも、悩む必要のあることですか

ここまで来たら、最後の問いです。

退職代行をやっていた頃、気にしなくてもいいようなことで退職を悩んでいる方を、本当に数多く見てきました。

悩むべき人

キャリアについて迷っている人

「◯◯業界に興味はあるけれど、今の仕事もそこそこ面白い。早く辞めたほうがいいのか、続けてみるか迷う」——これは簡単に決断できません。じっくり考えてください。

経済的な問題がある人

「今辞めたら経済的に困りそう。今の会社も別にブラックではない」——これも悩んで当然です。→ お金がない!でも退職したい!そんな時どうする!?

悩まなくていい人

「今辞めたら職場の人から悪口を言われそう」

言われるかどうか、そんなに気にすることでしょうか。そして、辞めたあとも続く関係ですか。

「退職を伝えたけれど、上司から許可がもらえなかった」

退職に上司の許可は要りません。

期間の定めのない雇用契約であれば、退職の申入れから2週間の経過によって契約は終了するとされています(民法627条1項)。

※有期雇用契約の途中解約には原則として「やむを得ない事由」が必要とされています(民法628条)。もっとも、期間が1年を超える有期契約の場合は、契約初日から1年を経過した後は申し出によって退職できるとされています(労働基準法137条。一定の例外があります)。また公務員は手続きが異なります。

※法令に関する記述は一般的な説明であり、個別の判断は専門家にご相談ください。

引き留められている方は、対処法をまとめてあります。→ よくある退職の引き留め方と対処法

この2つで悩んでいるなら、もう辞めましょう。

辞めると決めたら

退職に必要なことは、実は1つだけです。

『退職の意思を伝える』

「退職 方法」で検索すると、社会人としてのマナーだの、退職理由は建前を用意しろだの、いろいろ出てきます。気にしてもいいし、気にしたほうがいいこともある。でも、マナーが悪くても、退職理由が「なんとなく働きたくなくなった」でも、退職はできます。

余計なことを気にして、退職を難しく考えすぎていませんか。

具体的な手順はこちらに。→ 退職の手順:レベル別

辞める前にやっておくと得をすることもあります。→ 退職する前にやっておけ!お得なこと3選

自分で伝えるのが難しい場合は、退職代行という手段もあります。ただし、どれを選ぶかは慎重に。退職代行の選び方

状況別のガイド

判断に迷っているとき

お金の不安があるとき

立場が特殊なとき

動き出すとき

そのほか

まとめ

問い1:判断できる状態にあるか。 睡眠が取れていない、社外の人に相談していない——そういう状態で人生の判断をしないでください。まず状態を戻す。

問い2:辞めたら解決する問題か。 人間関係・長時間労働は転職で解決しやすい。低賃金は転職先次第。「天職が見つからない」は転職では解決しにくい。

問い3:悩む必要のあることか。 キャリアと経済的な問題は悩んでいい。悪口と上司の許可は、悩まなくていい。

そして退職のリスク自体は、転職活動が面倒で時間を取られる程度のものです。一度も退職・転職を経験したことがない人ほど、必要以上に恐れる傾向があります。

必要以上に恐れることはありません。でも、判断できる状態で決めてください。 それだけです。

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