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「新卒で今年4月に入社したばかり。でも、もう退職したくなってきた」
「去年入社して1年が過ぎ、2年目がスタートした。そろそろ転職ってどうなのかしら」
こんな感じで退職や転職が頭をよぎったことのある新卒1年目・2年目・3年目の人は、結構いるのではないでしょうか。
私が退職代行に勤めていた時も、新卒で入社した会社を早期に退職される方がそこそこいました。入社2年目、数ヶ月、早い人だと数日で退職される方もいました。
この記事では次の順で考えていきます。
- どのくらいの人が早期退職しているのか、その理由は
- 早期離職のデメリットとメリット
- さっさと辞めるべきケース / 辞めないほうがいいケース
どのくらいの割合の人が退職しているのか
厚生労働省が発表しているデータをもとに見ていきます。
平成29年3月卒業者の離職率
- 大学卒 — 1年以内 11.6% / 3年以内 32.8%
- 短大卒 — 1年以内 17.7% / 3年以内 43.0%
- 高卒 — 1年以内 17.2% / 3年以内 39.5%
出典:厚生労働省新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移
※この数字は平成29年(2017年)3月卒業者のものです。 厚生労働省は毎年新しいデータを公表しているため、最新の数字はご自身でご確認ください。
3年以内に3割、1年以内に1割。あなただけではありません。
退職の理由トップ5
新卒に限った調査ではありませんが、厚生労働省の『最終学校卒業後初めて勤務した会社をやめた主な理由』から。
1位:労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった(30.3%)
「そんなの入社前に分かるじゃん」と思いますが、求人と実際の条件が違うことは本当によくあります。
会社によっては新卒からバリバリの長時間労働。新卒だからこそ「これ明日まで勉強しておいて」と言われ、ただでさえ長い勤務が終わった後、家に帰ってまで勉強しないといけないこともあるでしょう。しかもその勉強の時間は労働時間に含まれません。
2位:人間関係がよくなかった(26.9%)
残業がなくても1日8時間、週5日を人間関係の悪い中で過ごすのは、とても大きなストレスです。
自分自身を変える(ストレス耐性を身につける)、部署異動を願い出る、といった退職以外の解決策もあります。すぐに対応してくれる会社もあるとは思いますが、そう多くはないでしょう。
自分を変えるのは自己の向上にもつながりますが、どうしても我慢できない場合は退職するのも仕方がないかと思います。
3位:賃金の条件がよくなかった(23.4%)
1位と同じで、これも求人と実際の条件が違うケースがめちゃくちゃあります。
求人に虚偽の情報を載せてはいけないというルールはありますが、「虚偽」であることの証明が難しく、実際に問題にするのは簡単ではないようです。
小賢しいと思いますが、契約書をしっかり確認しましょう。 とはいえ実際には、契約書を書く段階ではほぼ入社決定、あとは形だけの記入、もしくは契約書自体がないということもよくあります。
特にお金の話は「しにくい」という人もいます。しかし曖昧にしていると自分が困ります。はっきりさせるところは、はっきりさせましょう。
4位:仕事が自分に合わない(20.1%)
よくあることかと思いますが、一方で仕事に慣れていないだけ、慣れれば楽しくなるという可能性もあり、見極めが難しい問題でもあります。
5位:会社に将来性がない(12.0%)
将来性がない会社で仕事を続けるのもリスクなので、退職の理由になるのは納得です。
新卒数ヶ月でそう思うには判断が早すぎる気もしますが、仕事に慣れてきて将来性のなさが判断できるようになったなら、伸びている業界・会社に転職するのも良いでしょう。
早期離職のデメリット
個人的には、どのような事情であれ新卒で退職しても良いかと思います。ただし次のデメリットは知っておいてください。
転職の際に不利
退職理由にもよりますが、「またすぐに辞めそうだなあ」と思われます。
採用コストは数十万円かかります。基本的に、すぐ辞めそうな人を採用したい会社はありません。
経済的な不安
転職がスムーズに決まれば問題ありませんが、そうでなければ経済的に不安定な状況に陥ります。
一人暮らしならアパート代や食費などの固定費は生きているだけでかかりますし、国民健康保険、国民年金保険、住民税もかかります(納付の猶予や免除の制度があります)。
そして雇用保険の基本手当(失業保険)には、受給資格の要件があります。 自己都合退職の場合、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上必要とされています。新卒で1年未満に退職すると、この要件を満たさない可能性が高いです。 給付制限の期間や要件は制度改正で変わることがあるため、必ずハローワークにご確認ください。
理解してくれる家族がいれば実家に戻るという方法もありますが、そういう人ばかりでもないでしょう。金銭的な不安によるストレスは、そこそこ大きいです。
もちろんアルバイトをすればいいですし、病気や怪我でどうしても働けない場合は国のセーフティネットがあります。「死ぬ」ということにはなりません。
退職・転職したから問題が解決するとは限らない
原因によっては、退職や転職で問題が解決するとは限りません。
慣れていない仕事に多少のストレスを感じるのは仕方がないと思いますが、それは転職先でも同じです。仕事でミスして上司に注意されるのは新人のうちはよくあること。そういったことへのストレス耐性が異様に低い場合は、職場を変えても同じになる可能性があります。
一方で、度が過ぎるパワハラや長時間労働は、転職によって解消することが多いでしょう。
早期離職のメリット
若い=時間を無駄にしない
なんと言っても、若いことは大きなメリットです。
転職の際、未経験の業界でも「知らなくて当たり前」で通ります。未経験だけどプログラマーにキャリアチェンジしたい——30代の人と20代前半の人、どちらが採用されやすいでしょうか。
明確に他にやりたいことがあるなら、さっさと行動したほうがいいです。
その他:親から反対されやすい
メリットでもデメリットでもありませんが、新卒で早期退職する場合は『親からの反対』にあうことも多いです。
私の考えは『最終判断は自分自身』です。親の反対でなぜ辞められなくなるのかについては、退職できない人が陥りがちなバイアスで詳しく扱っています。
なお、転職先が決まっていれば納得してもらえることが多いです。
さっさと辞めるべきケース
ここからが本題です。辞めるべきか、辞めないべきかの基準を考えていきます。
死ぬ一歩手前
常に緊張している感じがして、ここ数ヶ月不眠が続いている。生きていても楽しくない。精神的な不調で自殺を考えてしまう。
こういう人はさっさと辞めるべきです。
転職が決まっていない、辞めたらお金がない、親からがっかりされる——それでも辞めましょう。『死ぬよりはましです』
お金については、退職後にアルバイトをしながら転職活動をすればいいですし、頼れるなら実家に一旦戻るのでもいい。健康の面ですぐには働けない、実家にも戻れないような場合でも、日本には生活保護・障害年金・特別障害者手当などのセーフティネットがあります。
※つらい気持ちが続いているときは、一人で抱え込まないでください。お住まいの自治体の相談窓口や、こころの健康相談統一ダイヤルなどに相談できます。必要であれば、相談先の探し方をお伝えします。
ブラック企業に入社した人
さっさと辞めましょう——と言いたいところですが、辞めた後に経済的に困ってしまうといけないので、まず転職活動を始めましょう。転職が決まったらさっさと辞める。
もちろん転職が決まる前でも、これ以上は無理と思ったら辞めてしまったほうがいいです。
また、ブラックであればあるほど、転職活動での退職理由に納得してもらえるでしょう。→辞めるべき会社のサイン
キャリアチェンジしたい人
本当はIT業界に行きたかったけど、在学中はなかなか内定が取れず、とりあえず内定が出た会社から選んだ。社会に出てから考え方が変わり、◯◯業界に興味が湧いてきた。
やりたいことが明確に決まっている場合は、若いうちにさっさと行動したほうがいいでしょう。『若さ』はそれだけで転職に有利です。
ただし、やりたいことがコロコロ変わるタイプの人は注意が必要です。 「◯◯業界に来たけどやっぱり向いてないかも。次は△△をやってみたい」×10回、と転職を永遠に繰り返しかねません。
転職が決まっている人
どのような事情であれ、転職が決まっているなら退職しても困ることはないでしょう。
逆に、辞めないほうがいいケース
仕事に慣れていないだけ
仕事に慣れていないとストレスを感じるのは当たり前です。転職してもまた慣れないことをするので、問題が解決しないことが多いです。
また、入社に伴って住む場所や関わる人といった環境がガラッと変わることもストレスになります。五月病の原因でもあります。
なんとなく仕事がだるい
今の仕事は面白くないし働きたくないけど、他にやりたいことも特にない。自分探し中のタイプです。
若いうちに海外に行ってさまざまな価値観に触れるのはいい経験になると思いますし、『やりたい』と思ったことはさっさとやってしまったほうがいい。ただ、それで解決するとは限りません。
とりあえず簡単にできることとしておすすめなのは読書です。退職しなくてもできますし、コストもかかりません。→退職に悩んだときに読む本
判断の基準は「どちらがましか」
退職するかどうかの基準は、どちらの選択をしたほうが『まし』かです。
今いる会社がブラックで転職先も決まっている——明らかに転職したほうがましです。
転職先は決まっていないけど体調がヤバい——経済的な不安があっても、さっさと退職したほうがましです。実家に帰る、バイトをする、といった手段がありますし、現状の日本では退職しても「死ぬ」ということにはなりません。
一方で、早期離職にはデメリットもありますし、「仕事に慣れていないだけ」という可能性もあります。よほどのブラック企業でない限り、3ヶ月や半年といった1年以内の早期離職はあまりおすすめしません。
まとめ
新卒でも退職する人はそこそこいます。短期離職率が一番低い大卒でも、1年以内で1割以上、3年以内で3割以上です。
早期離職には、転職に不利・経済的な不安といったデメリットがあります。次が決まっていれば経済的に困ることはないので、転職先を決めてからなら問題ないかと思います。
会社がブラックだった場合はさっさと退職したほうがいい。慢性的に体調を崩しているなら、休職も視野に入れてみましょう。
そして、過剰に恐怖を感じる必要はありません。
新卒で入社した会社の退職=人生のレールを外れるように感じたり、初めての退職・転職が人生の大きな決断のように思えたりしますが、大事なのはその後です。 特に若いうちはいくらでもやり直しができます。人生100年と言われる時代、会社を退職すること自体は大したことではないのです。
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