結論:みやびは「交渉まで任せたい人」向け。ただしプラン選びで損をしやすい
- 弁護士法人が運営する退職代行。料金は27,500円/55,000円/77,000円(いずれも税込)の3プランです。
- 料金表の記載上は、55,000円と77,000円でできることが同じ。 分けているのは「対応できる職業の範囲」だけです。自衛隊・業務委託・会社役員のいずれにも当てはまらないなら、料金表の上では77,000円を選ぶ理由がありません。
- 27,500円は「請求」まで、55,000円以上は「交渉」まで。 公式サイトはこの2つの語をはっきり使い分けています。ここを読み違えると、必要のないプランを選ぶことになります。
- とにかく辞めたいだけなら、労働組合型のほうが安く済みます。→退職代行の選び方
会社が損害賠償を持ち出してきた時、代行は何もできません
中の人だった頃、こういうことがありました。
有資格者でなければできない業務がある職場で、依頼者が退職代行を使ったその日から出勤しなくなった。しばらくして、勤務先から本人あてに書面で損害賠償の請求が届きました。
私は末端だったので、その後どうなったかは知りません。払ったのか、払わずに済んだのか、分かりません。
ここで大事なのは、勤務先が問題にしていたのが「代行を使ったこと」ではなく「引き継ぎもなく突然来なくなったこと」だった、という点です。資格が要る仕事で、代わりを立てられなかったのだと思います(これは私の推測です)。
誤解のないように書いておきます。請求されることと、支払う義務があることは別です。
最高裁は、会社が働いていた人に損害賠償を求められる範囲について、事業の性格や規模、労働条件、勤務態度、会社側の予防措置の程度などに照らし、「損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」に限られるとしています(茨城石炭商事事件・最高裁昭和51年7月8日判決、民集30巻7号689頁)。この事件では、会社が保険に加入していなかったことなどを踏まえ、損害額の4分の1が限度とされました。
ただし、ゼロになるとは限りません。入社まもなく欠勤して辞め、会社の3年契約が解約された事案では、70万円の支払いが命じられた裁判例があります(ケイズインターナショナル事件・東京地裁平成4年9月30日判決、労働判例616号10頁)。この事件でも約定の200万円が3分の1に減らされてはいますが、義務そのものは認められました。
こういう局面で何ができるかを判断するのは、弁護士の仕事です。退職代行は入れません。私も入れませんでした。
みやびの料金表では、損害賠償請求への対応は27,500円プランでは×、55,000円以上のプランで対応となっています。ただし裁判になれば別途です(2026年8月22日 公式料金表で確認)。検討する意味があるのは、まさにこういう場面です。
料金:3プランの正体
全プラン共通
- 退職の意思を会社へ正式に通知
- メール・FAX、郵便での書面送付
- 無期限のサポート期間
プラン別
27,500円 — アルバイト・会社員・契約社員向け
- 退職の決定
- 離職票等の請求
- 退職金やボーナスの請求
55,000円 — 一般に加え、公務員にも対応
- 離職票等の交渉、社宅交渉(立会別途)、自宅訪問交渉
- 給与・有休交渉、未払給与等交渉、残業代計算
- 損害賠償請求の対応(裁判別途)
77,000円 — 自衛隊、業務委託、会社役員などにも対応
- できることは55,000円と同じ。対象になる職業の範囲だけが広い
出典:弁護士法人みやび公式料金表(2026年8月22日 当サイトで確認)。公式料金表に「¥27,500〜¥77,000(税込)」と明記されています。オプション費用の20%には別途消費税がかかります。
ここが料金表の読みどころ
1. 55,000円と77,000円の機能欄は完全に同一です。
差は対象者の欄だけ。自衛隊・業務委託・会社役員といった、一般の退職代行では扱いにくい立場の人に対応するために77,000円がある、という構成です。会社員・契約社員・公務員なら55,000円で足ります。
2. 27,500円プランに「交渉」の語はありません。
27,500円の欄にあるのは「離職票等請求」「退職金やボーナス請求」。55,000円の欄は「離職票等交渉」「給与・有休交渉」。同じ弁護士法人でも、依頼した範囲によってどこまで動くかが変わる、と読むのが自然です。有休の消化日数や退職日でもめそうなら、27,500円では足りない可能性があります。
3. オプション費用20%は、いつでもかかるわけではありません。
残業代や退職金の請求を頼むと回収額の20%+税がかかりますが、公式には「会社が支払いを拒否し、弁護士が交渉を行った場合にのみ発生」と注記されています。給与や退職金の全額に対して20%が引かれる、という意味ではありません。
4. 「立会別途」「裁判別途」は基本料金に含まれません。
社宅交渉の立会いと、損害賠償請求が裁判になった場合の対応は別料金です。この2つは見落としやすいので、相談の段階で金額を確認してください。
公式サイトで確認できたこと・できなかったこと
比較サイトの多くは、ここを曖昧にしたまま表を埋めています。この記事では、確認できた項目とできなかった項目を分けて書きます。
確認できたこと(2026年8月22日 公式サイトで確認)
- 3プランの料金と対象者、プランごとの対応範囲
- オプション費用は回収額の20%+税で、発生条件つき
- 書面送付はメール・FAX・郵便
- サポート期間は無期限
確認できなかったこと(同日時点)
- 決済方法
- 返金保証の有無
- 電話の受付時間(公式には「全国24時間対応」とありますが、電話受付時間そのものの記載は見つかりませんでした)
当サイトの旧記事(2023年8月公開)には「支払いは銀行振込のみ」「対応時間9時〜22時」と書いていました。これは当サイトが2023年に確認した内容で、2026年8月の公式サイトでは裏が取れませんでした。 変わっている可能性があるので、この記事では現在の事実としては書きません。申し込み前にご自身で確認してください。
口コミについて
当サイトが2023年8月にX(旧Twitter)を調べた際、みやびに言及した投稿はごく少なく、見つかったものは2019年の1件でした。しかもその投稿は「汐留パートナーズ」という、みやびの前のサービス名の時代のものです(2023年8月 当サイト調べ)。
2026年8月に改めて探しても、判断材料になる新しい投稿は見つかりませんでした。そのため、この記事では口コミを根拠にした評価はしません。 弁護士法人への依頼は、口コミよりも「料金表に何が書いてあるか」「無料相談での説明が明確か」で判断したほうが確実です。
みやびが向いている人・向いていない人
向いている人
- 未払い残業代や退職金を、確実に請求したい
- 会社との間にトラブルがあり、損害賠償を持ち出されそう
- 公務員・自衛隊・業務委託・会社役員など、一般の退職代行では扱いにくい立場にいる
- 費用が高くても、弁護士に任せる安心を優先したい
向いていない人
- 今日か明日じゅうに会社へ連絡してほしい(弁護士型は相談を挟む設計が多く、そのぶん着手が遅くなりがちだと当サイトは見ています)
- 金銭請求も交渉も不要で、辞められればいい
- 費用を抑えたい
後ろの2つに当てはまるなら、労働組合が運営する退職代行のほうが費用が安く済みます。タイプ別の違いは退職代行の選び方で整理しています。弁護士型どうしの比較は弁護士の退職代行へ。
申し込みの流れ
※以下は2023年8月 当サイト調べの流れです。2026年8月時点では再確認できていません。
- 公式サイトからLINEまたはメールで連絡し、電話相談の日程を決める
- 担当者と電話で相談する(聞きたいことは事前にメモしておく)
- 依頼を決めたら支払い
- 打ち合わせ。会社の連絡先、実行希望日、有休消化や金銭請求の要望を伝える
- みやびが会社へ連絡
- 指示に従って貸与品や書類を郵送。離職票・源泉徴収票が届けば完了
※支払い方法・相談手段は、2026年8月時点で公式サイトから確認できませんでした。相談時にご確認ください。
よくある質問
Q. 結局どのプランを選べばいい?
会社員・契約社員・アルバイトで、交渉も金銭請求も不要なら27,500円。有休消化や退職日でもめそう、または未払い残業代・退職金を請求したいなら55,000円。自衛隊・業務委託・会社役員なら77,000円です。
Q. 55,000円と77,000円で、できることは変わる?
公式料金表を見るかぎり、機能欄は同一です。対象となる職業の範囲だけが違います。
Q. 追加料金はかかる?
残業代・退職金などの請求を依頼し、会社が支払いを拒否して弁護士が交渉した場合に、回収額の20%+税がかかります。社宅交渉の立会いと、損害賠償請求が裁判になった場合も別料金です。
Q. 地方に住んでいても使える?
公式料金表には「メール・FAX、郵便での書面送付」と記載されています(2026年8月22日 確認)。この記載からは、事務所へ出向く必要はないと読めますが、「来所不要」と明記されているのを確認したわけではありません。 気になる場合は相談時にご確認ください。
まとめ
みやびは「交渉と金銭請求まで一貫して任せられる」ことに費用を払うサービスです。裏を返すと、交渉も請求も要らない人にとっては割高になります。
そして料金表を読むかぎり、77,000円は「対応しにくい職業の人のための枠」であって、機能を買い増すためのプランではありません。ここを勘違いして上位プランを選ばないよう、相談時に「自分の場合、55,000円と77,000円で何が変わりますか」と直接聞いてください。
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※料金・条件は2026年8月22日時点で公式サイトを確認したものです。「2023年 当サイト調べ」と記した箇所は当時の確認内容であり、現在も同じとは限りません。申し込み前に必ずご自身で最新の情報をご確認ください。