こんにちは。
元退職代行として10,000人以上の退職に携わってきたタケシです。
退職太郎:「社長、今年度末で退職したいのですが」
社長:「良いよ!でも、こないだの研修費は払ってね。」
こんな感じで
退職を希望したら研修費の返還を要求された
という人も多いのではないでしょうか?
。
。
。
ないという人も、今度あるかもしれません。
今回は『退職の時に研修費の支払いを要求された場合、支払う必要はあるのか?』
ということについて考えていきます。
結論
結論からいうと状況によります。
状況によって、研修費を払う必要がある時もありますし、ない時もあります。
ポイント
研修日を払う必要があるかないか
つまりは研修費が自己負担かどうかかと思いますが
それを判断する
大きなポイントは
- 業務に必要な研修かどうか?
- 本人の自由意志で参加するかどうか?
です。
厳密には他にもあります。
例
例えば
「研修は業務に必要だから全員強制参加ね!」
こんな感じで業務に必須で、参加も強制の場合は
研修費は一般的には会社負担になります。
つまり、返還する必要がありません。
一方で「今後のグローバル化を見据えて今度短期英語留学への派遣を行いたいと思います。希望する人は申し出てください。研修費は会社から出ます」
こんな感じで、業務に必須というわけではなく、希望者を募る場合、つまり参加自由の場合は
退職時に研修費を返済する必要がある能性もあります。
実際には、様々な要因が絡み合っていますので、全額免除や、全額負担ばかりではなくて、一部自己負担などに落ち着くこともあります。
状況によるとしか良いようがないです。
様々な例
研修費負担を利用して退職を引き留める例
上の例はどちらも比較的一般的なケースですが
中には、研修費が理由で退職できないケース
研修費の返済を『退職の引き留め』として使われてしまっているケース
もあるようです。
マッサージ店
店長「今日は初日ということで、マッサージの研修を行います。研修費は一応100万円だけれど、3年勤めたら返さなくいいからね。それでは始めていきます。」
「こんな感じで、まずは足から。。。」
1時間後、、、以上研修終わります。
ちょっと誇張しましたが、こんな感じの研修もあります。
この店長が世界1のマッサージ師
世界でゴッドハンドと認められたすごいマッサージ師でしたら
研修1時間100万円でもありかなとも思うんですよ。
ただ一方で、
社内研修の費用なんて相場がないようなものですから
この店長が一般的なマッサージ師の場合でも
どんな値段にでも設定できるわけです。
「マッサージはまずは足から始めてねー」
みたいなただ流れを教える1時間程度のしょぼい研修費が100万円
退職したら自己負担ね。
なんて場合は、表向きは研修と言いつつも
実際には『従業員をやめさせないため』のスキームとしか思えないわけです。
「退職したら100万円か。。。研修だからなぁ。退職できなくても仕方ないな」
そんなことはないです。
自分で同意したから守らないといけないような気持ちになるのは分からなくもありませんが
そもそも研修費を自己負担する必要があるのかも怪しいです。
実際、このようなケースで退職できない人はなかなか居ないとは思いますが、もし居た場合は
退職を諦めず、弁護士などに相談してみましょう。
研修費は自己負担だけれど会社からお金を貸してあげるよスキーム
退職を引き留めるためにだけというわけではありませんが
もっと一般的に使われているスキームとして
「研修費は自己負担、でも会社からお金を貸してあげる。一定期間勤めたら返済チャラでいいよ。」
といった方法を用いている会社もあります。
「研修後◯◯ヶ月以内に退職する場合は、違約金として◯◯円払え」
といった違約金を定めることは
労働基準法第16条
「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」
があるので、違法になってしまう可能性があります。
そこで、研修費は自己負担だけれど、会社からお金を貸す、一定期間勤務したら返済義務がなくなるという方法が利用されます。
この方法自体が悪いというわけではありませんが
「借りたお金は返さなきゃなー」
「辞めたいけれど今辞めると前に参加した研修費を払わないといけないからなー」
と思い退職を諦める人も多いかと思います。
しかし、そもそも、その研修費は自己負担か会社負担を判断することが重要です。
仮に研修が強制参加であった場合は、自己負担ってのがおかしい話です。
強制ではありませんが
研修費自己負担、一定期間働いたら返済不要ってのは
医療系の学校に多いお礼奉公と呼ばれる制度にも通じます。
返済する必要がある可能性が高い例
一方で、返済する必要がある可能性が高い例もみていきます。
会社「将来的にグローバル展開するため社内人材を育てよう!」
「よし!希望者を募って海外で語学留学させよう」
→従業員「給料ももらえて、ただで語学留学行けるなんて最高!よし希望してみよう!」
帰国日。。。
「社長!急ですが本日付けで退職させていただきます!」
なんて感じで
希望したから参加させたのに
研修後にいきなり退職するなんて言い出すような従業員が居た場合は、
そりゃ研修費返せってなるわけです。
もっというと留学期間の給料も返してもらいたいくらいなわけです。
会社は別に従業員のパトロンではありませんので、会社の金で研修行くだけ行きまくって、すぐに退職する人に研修費用を使いたくはありません。
研修に行って、そこで学んだことで会社に還元してもらうことを考えています。
どのような場合であれ退職は可能!
研修費を返還する必要があっても、なくても、一つ確実に言えるのは、
『退職は可能』
ということです
仮に返還する必要あり、一括での返済を求められているけれど一括では返済できない
なんて場合でも
完済しないと退職できないわけではありません。
実際にあなたがやること?
研修前
まだ研修が始まる前でしたらやることは
1. 事前にしっかり研修についての契約を確認しましょう。
強制参加なのか?自己負担なのか?を確認しておきましょう
2. 退職を予定している場合は研修が始まる前に退職を伝えましょう。
会社側も違う人を研修に行かせられますので、お互いにとっても良いです。
「すでに自分のために研修の計画が立てられているのに、退職だなんて言いにくい!」
そういう状況でも、早めに伝えた方がましです。
研修後
研修には行ってしまったけれど退職したい。。。そんな時は。。。
研修費の返還を要求された場合は、納得していればさっさと支払えば良いかと思いますが、不満であれば弁護士に相談してみましょう。
まとめ
今回は、退職時に研修費の返還を要求された場合について考えました。
返還する必要があるかどうか判断するための主なポイントは
・研修は強制であったのか?
・業務に必要な研修であったのか?
です。
実際には、表向きには任意参加としながらも、ほぼ強制だったりすることもあり判断が難しいです。
また、仮に研修費を返還する必要がある場合でも、完済しなくても退職することは可能です。
もちろん。退職したから返還しなくても良いということにはなりませんが、退職できないということはありません。
実際自分の身にこういうことが起こったときは
弁護士に相談するのが良いかと思います。
探せば無料で相談できるところもあります。
クソムーブとしては
・言われるがままに支払ってしまう
→特に、会社の顧問弁護士とかだされるとビビってしまう人もいますが
一旦落ち着いて弁護士に相談したりしましょう
・退職できないと思い込む
→退職はできます